【THE警察面接室③】「警察流面接マナー」完全解説（警察流『退室』要領編）

退室マナー、学校で教わりましたか？
「我流」で受験に行こうとしていませんか？

警察はどこよりマナーに厳しいところです。
警察学校の頃から「警察礼式」を学び、警察マナーを徹底して教えられてきた「警察の面接官」に我流のマナーで戦うのは無謀です。
正しい戦い方ではありません。

警察には「警察流の面接マナー」があります。
それを知りましょう。

私は、警察本部人事課で7年間、実際の採用試験を担当してきた元警察人事で、現在は某大手公務員予備校で警察試験専門の専任講師をしています。

今回の記事では「警察流『退室』要領」について完全解説します。
誰も知らない…どの『面接マナー本』にも載っていない「警察流面接マナー」を初公開します。

ノックをして、番号と名前を言って、相手の方を向いて話す…これだけで合格できるほど、「警察面接」は甘くありません。
警察の面接官はメリハリがなく・鈍感で・だらしない受験生が大嫌いです。

この記事を読むと、警察流面接マナーがないと危ないと気づけると思います。
「警察流マナー」だけで大きな加点も夢ではありません。
元警察人事の私が、あなただけに教える「警察流面接マナー『退室要領編』」をここで学び、自信を持って警察面接室に入ってください。

それではさっそく解説のスタートです。

なお、この完全解説記事は３部構成になっています。

　
警察マナーの「基礎知識」や「入室マナー」の記事も参考にご覧ください。

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【最終記事更新：2023.6.17】

面接官を操る悪魔の心理学

最初にすこしだけ心理学のお話をします。
私は臨床心理士・公認心理師の心理資格を持った現役カウンセラーでもあります。

面接官を操る悪魔の心理学③
（親近効果）

『警察流面接マナー』完全解説記事では、「面接官を操る悪魔の心理学」と銘打って「面接官の心理を逆読み」するテクニックを紹介しています（①～③の３部構成）。

今回ご紹介する心理効果は「親近効果」です。

親近効果を簡単に説明すると「最後の情報が、一番印象・記憶に残る」というものです。

面接試験を例にとると「去り際（退室時）の印象が一番記憶に残る」ということになります。
実験データをご紹介します。
H.エビングハウスというドイツの心理学者がまとめた「親近効果」を示すデータです。

（エビングハウスの実験）

	最初の 10秒	前半 途中	後半 途中	最後の 10秒
記憶の 再生率	0.9	0.4	0.35	1.25
心理的 効果	↑ 初頭効果	印象 薄い	印象 薄い	↑ 親近効果

　

面接が終わったからとすぐに安心してはいけません。
また、面接でふてくされて退出してもいけません。
最後の去り際の美しさが「この子を採用にしよう」という最後のひと押し・ダメ押しになります。
「退室」の印象の大切さが分かるデータです。

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不合格者にありがちな「ダメンタル」

「すべて完璧でした」という受験生はいません。
15分～20分の間、いろいろなことについて深く問われるのですから、多かれ少なかれ誰しも心は波立つものです。

しかし不合格者は、面接そのものより、その後の態度・仕草で失点を重ねてしまっています。
　・「うまく話せなかった」
　・「言いたいことが言えなかった」
といった後悔・失敗感

　・「面接官が不機嫌そうだった」
　・「私は第一印象が悪い…」
　・「あんなこと言わなきゃよかった…」
などマイナスの反応

これらがつい「退室の際」に態度になって出てしまっているのです。

「最後の10秒」であなたの「真価」が分かります。
面接官はあえて厳しい質問をして、最後のあなたの反応をじっと見つめています。

では「最後の10秒」をどのようにするのが「正解」なのでしょうか。
最後の10秒間の正解について解説していきます。

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これが「警察流『退室』マナー」

それでは「警察流『退室要領』」の解説です。
警察には「警察流の面接マナー」があります。
「警察流『最後の10秒』」でライバルに差をつけていきましょう。

退室要領「11の流れ」

警察流の退室要領では、全部で「11個」のことをしていただきます。

数があって大変…と思われるかもしれませんが、10秒間…あっという間の時間です。
「一連の流れ」で理解してください。

【超重要】①立ち上がった瞬間！
試験の記憶を全部消せ！

「これで終了します」
「それでは結構です」
面接官から告げられ試験が終了しました。

面接官のこのひと言があったら、試験は終了
さあここからは退室時間です。
面接官の終了の言葉は、【退室全集中モード】開始・気持ちの切り替えの合図です！

【切り替えよ！】終了の瞬間！

立ち上がる瞬間、面接試験のことはすべて忘れてください。
もう過ぎ去った過去の出来事です。
良かったことも悪かったこともいったん頭の中から全消去します。

ココは大事ですよ。
必ず気持ちを切り替えてください。

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②椅子の横に元気に立つ

立った瞬間、もう面接のことは覚えていません！
ここからは「元気いっぱいの退室」モードに全集中スタートです。

最後の「ハの字」に開くとは…

かかとを合わせると足先が「ハ」の字になります。

【超重要】③元気な声で「ありがとうございました」

最後のクライマックスです。
あなたの良いところを最後に見せるチャンスです！

ひと言
「ありがとうございました！」
大きな声で挨拶します。

「カラ元気」で良いですよ。
ここは重要です！
とにかく元気いっぱいにお願いします。

【重要】④挨拶の「後」にお辞儀

冒頭でご紹介した悪魔の心理学「親近効果」を思い出してください。
面接官は、良くも悪くも「最後のあなた」の印象から逃れられないのでしたね。

「最後の姿」を美しく見せることは価値あることです。
有終の美をかざる気持ちで美しくお辞儀をしてください。
ペシャンコにされてもへこたれないあなたの強さ・美しさを感じてくれると思いますよ。

お辞儀のポイントは、次の３点です。

お辞儀を美しく見せるコツは「頭を上げる時」の美しさです。
警察ではよく「バネで弾かれたように」と言います。
頭を上げる時に「バネで弾かれたように」サッと上げると美しく見えます。

なお、お辞儀（脱帽敬礼）は、警察礼式では「角度30度・時間3秒間」と定められています。
受験前までに必ず「角度30度・時間3秒間」の練習してみてください。

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【ダメ】⑤お辞儀しながらの挨拶はＮＧ

「ありがとうございました」と元気に挨拶してからお辞儀をしますが、ここで注意点があります。
「ありがとうございました」と「お辞儀」を同時にしないことです。
２つの行動を同時にするのは警察では失礼に当たります。

「細かいな」と思われるかもしれません。
でも、警察マナーはとても細かいのです。
面接官も「細かいところ」まであなたをじっと見ています。

⑤ドアまでの「後ろ姿」

お辞儀が終わったら、ドア（警視庁・大阪府警などはパーテーションの入口）の方へ退室です。
あなたの「後ろ姿」
面接官はずっと見ています！

歩き方は「警察礼式」の基本のキ
後ろ姿には「後ろ姿の美しさ」があります。
しっかり前を見て、指先まで緊張させて入口ドアまで歩いてください。

【ダメ】⑥うつむいて歩くのはＮＧ

後ろ姿こそ、まっすぐ前を向いて歩きます。
後ろ姿こそ、うつむきません。

最後まで気持ちを込めて歩いてください。
歩き方に、あなたのこれまでの生きざまを込め、誇りを持って一歩一歩あゆんでいってください。

あなたへのアクションプラン（スマホで撮影）

自分の歩く姿や後ろ姿をスマホで動画撮影してみてください。
そして、自分の歩く動画を見て、上のポイントに合致しているか厳しく自己採点してください。

あなたの歩き方は、
　・胸を張っているか
　・しっかり前を見ているか
　・つま先・指先まで緊張させているか
　・堂々と歩いているか
面倒くさがらず、一度は必ず動画で自分の姿を確認しましょう。

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【重要】⑦ドアの前で正対して気を付け

出口（パーティション出口）まで来ました。
でもここで慌てないでください。
慌てて退室してはいけません！

出口まで来たら「回れ右」をして面接官の方を向きます。
面接官の方を向いて正対したら、一度ピタッと静止します。
動作を止め、直立不動になります。

視線は中央の面接官です。

このとき次の４点に留意してください。

このポイントでは警察の礼式「気をつけ」に準じています。
特に面接官を見つめる「目力」と「指先の緊張」を意識してください。
そして「いまからそこへ行くから待ってろ」とばかりに覇気をみなぎらせましょう。
内側で強い気持ちを保持してください。

【重要】⑧最後の力を振りしぼれ！
大きな声で「失礼します！」

最後の最後です。
最後にバシッとキメます！

最後の力もカラ元気も総動員して、最後の最後を爽やかに力強く決めてください。

ひと言
「失礼します！」
大きな声で挨拶します。

【重要】
⑨失礼しますの「後」にお辞儀する
（お辞儀２回目）

最後のお辞儀も大切です。
あなたがこの面接室から消える前の、最後のあなたの姿です。

きびきびとしたカッコイイお辞儀を残して、この面接室を後にします。
面接官の脳裏にあなたのかっこいい姿を「残像」で残すイメージです。

※警視庁・大阪府警などパーティション面接室の場合は、ここで退室になります。

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⑩面接官にお尻を向けず
「半身」でドアを開ける

ドアを開ける時の注意点を１つ

退室の時に面接官にお尻を向けないように注意しましょう。
最後の「残像」がお尻ではサマになりません。

半身でドアを開けて、面接官の注意をお尻ではなく体全体、特に頭や背中の「真っすぐさ」（美しさ）に向けさせるようにするため、ドアは半身で開けてください。

※警視庁や大阪府警などパーティション形式の面接氏の場合は、この動作は不要です。

【最後】⑪頭を下げたまま
ドアノブを両手で把持しながらドアを閉める

いよいよ最後です。
細かいところですが最後まで徹底的に「警察流マナー」にこだわります。

最後、ドアは、頭を上げたまま閉めてはいけません。
最後は、頭を低くしてドロップアウトしていきます。

あなたの「残像」を面接室に残して…。

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【重要】
案内の「人事課職員」も面接官

【実話】面接官は案内職員に意見を聞く

これは、とある年の採用試験会場での出来事です。
当時私は、警察人事として、面接会場で案内係の責任者をしました。
すると、親しくしていた面接官から尋ねられました。

面接官は、案内係の職員に意見を求めることがあります。
あなたにぜひ認識してほしいことは「案内係の職員も面接官」ということです。

「案内係ぐらい」と油断してはいけません。緊張感を保ち続けてほしいのです。
聞き洩らしが心配な人は、控室の「一番前」に座りましょう。
声も良く聞こえますし質問もしやすいです。

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案内係の指示に「完璧に」従う

試験会場に入ると、案内係の職員はあなたにいろいろな指示をします。例えば、

• 入室時にはノックをする
• 中から『どうぞ』と声が聞こえたら入室する
• （ドアがない会場なら）ノックの代わりに挨拶をして椅子のところまで進む
• 椅子の左側に立ち受験番号と名前を言う
• 鞄や荷物は控室においておく
• 携帯電話は所持してはいけない
• などです。

あなたは、職員の指示を、一字一句もれなく聞いて、完璧に指示を守ってください。
こういった「小さなこと」の積み重ねる人に、幸運の女神は微笑んでくれます。

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「自宅に帰るまでが試験」と緊張感保持

これも、私が警察人事時代の実話です。

面接試験が終わったあと、面接官は雑談で、次のようなことを話していました。

面接試験当日には、どこに「面接官の目」があるか、わかったものではありません。
面接官だけではなく、案内係の人事課職員が見ているかもしれません
　・休憩中のあなたを見ているかもしれません
　・帰宅するあなたを見ているかもしれません
面接官は、面接室だけでなく、あらゆるチャネルであなたの「本性」を見たいと狙っています。

「試験が終わった後」に不合格になったケースもあります。
「試験終わった！」と気をゆるめず、その日は「自宅へ帰宅するまでが試験」と緊張感を持って過ごしてください。
試験が終わった気のゆるみから、品のない振る舞いや犯罪を起こすなどもってのほかです。

人生を左右する大事な１日ですので、せめてその１日だけは最後まで大切に過ごしてほしいです。

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【まとめ】退室で特に重要な
「４つのポイント」総復習

「４つの重要ポイント」を確認

警察流『退室』マナーには、全部で11個のポイントがありました。
一連の流れなので、頭に記憶させるというよ、実際に「身体」で覚えてほしいです。

「10秒間」です。
たったの10秒間です！
面接官の心理を操るのも、失敗するのも、最初の10秒間です。

【宿題】今後のアクションプラン

今回は「警察面接『退室要領』編」を解説しました。
「最後の10秒間」の要領を理解していただけたと思います。

でも、そこで終わってしまってはいけません。
絶対に、一度は「体で覚える」練習が必要です。
頭でわかるだけでは不十分なので、かならずあなた自身で、あなたの身体に覚え込ませてあげてください。

【必須！】
自分の姿をビデオ撮影して確認

練習する時にはビデオ撮影することをお勧めします。

「準備をしよう」と力む必要はありません。
まず気楽にスマホを置いて始めてください。

　　↓

　　　↓

　　　↓

これだけです。

目、手、声の大きさ、お辞儀など…
特に「重要な４つのポイント」が押さえられているか確認します。

「入室要領」「基礎知識」も
あわせて押さえてしまう

警試塾では、今回の『退室』マナーとは別に「警察流面接マナー」完全解説記事をまとめています。３部構成です。

　
警察マナーの基礎知識記事や、入室マナー記事も参考にご覧ください。
「警察流面接マナー」はライバルは知りません。あなただけの加点ポイントです。
今回この記事を読み切った勢いで、ついでに読み進めてみてください。

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【超重要】面接カード
「総合力」のレベルアップを急げ

警察流面接マナーは大切です。
その大切さを知っていただきたくて、記事を書いてきました。

しかし、マナーだけでは加点に限界があります。
やはり、面接は「回答の内容」です。
「内容」が悪ければ、どれだけマナーが良くても勝てる試験も勝てません。

そして、そうこう悩んでいるうちに、試験までどんどん時間が無くなり、気持ちがますます焦っていきます。

でも、大丈夫です。
元警察人事の私が、新しい勉強法をご紹介します。
あなただけ乗り遅れがないようご活用ください↓

【必見①】
面接の質問は予め知ってから受験する

「面接官ガチャで、相性の悪い面接官だったらどうしよう…」
こんな不安や心配を感じたことはないですか？

警察人事や採用側もここはとても重要視しています。
面接官の「当たり・ハズレ」であなたの合否が決まっては大変なことです。
そこで警察の採用試験では「公平性の担保」するため、面接官にはあらかじめ『面接シート』を配っており、必ずその中から質問するというルールになっています。

ではこの『面接シート』は誰が作るのでしょうか？
それが警察人事の私です。
私は面接官の『面接シート』を作成していました。

だから元警察人事の私には「面接で聞かれる質問」が全部わかるのです。
あなたもこれで「警察面接で質問される質問」が全部わかります。
警察面接の質問はこれで全部！
＞＞「警察面接『全質問300問』」

【必見②】
あなたは合格すべき人
乗り遅れないで！

私は受験生のとき「面接８連敗」を経験しました。
「地獄」を見てきました。
面接８連敗と言えば一般的には「人間的に問題あり？」と思われても仕方ないです。

その私が警察官になり、警察の花形「警察人事」を７年間も務めることができました。
私には、将来警察人事になる素質がありました。
しかしその私でも「勉強法を知らない」ために、無駄に８連敗を繰り返していたのです。

あなたにお伝えしたいことは、どんなに素質があっても試験に受からなければ花が開かないということです。
失敗と成功は紙一重です。

あなたには警察官になれる素質がおありです。
素質がなければこの記事をここまでお読みになることはなかったはずです。
素質のあるあなたが不合格になってはいけないと私は思っています。

受験は要領です。
結局のところ「知っているか・知らないか」
合格と不合格はその差があるだけです。

私は、警察人事として長く深く採用試験に関わってきました。
日本の誰よりも警察の採用試験をよく知っています。
この私が高い合格率とコスパ最強の勉強法を予備校で実践しています。
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「マナー」と「内容」は面接試験の両輪です。
内容あってのマナーです。
あなたの面接対策完成のお手伝いが少しでもできれば幸いです。

　

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頑張る受験生に応援エール

あなたはひとりではないです。
受験はひとりでやるものではありません。
孤独や無力感はもうなしにしましょう。

受験にはつらいこともあります。
でも「道」はあなたの目の前にあります。
正しく知り正しく行動すれば、合格はすぐ近くにあります。
諦めないでください。
あなたはまだまだこれからです。

あなたも本当に警察になれます！

わたしは頑張るあなたを全力で応援しています。
一緒に頑張っていきましょうね。
本当に応援していますよ。

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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

（完）